【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第15章 Never say good bye
side.三ツ谷隆
名前。
俺、どうすればいい?
困った時はいつもこうしてたよ。
お前ならどうするって?
側にいない名前に聞いてた。
きっとお前なら電話するよな。
英語は話せないけど。
勇気を出して、貰った番号にかけてみた。
『Hello?』
(もしもし)
「あー。Hello, My name is Takashi Mituya. I called because …」
(もしもし。僕は三ツ谷隆といいます。電話をしたのは…)
『隆?』
「名前…」
漸く声が聞けたのに、何を話したらいいのか分かんねぇよ。
涙しか出てこねぇし。
『泣いてるの?』
「泣いてねぇし」
『嘘ついたー。声で分かるもん』
俺、お前に会いてえよ。
電話じゃなくてさ、会って話してぇよ。
「………なあ?日本、いつ戻ってくんの?」
『来月には帰るよ』
「えっ?」
『何?』
「いや…そんな直ぐ帰ってくんの?って驚いて…」
『うん。だって9月から新学期だし。ずっと休学するわけにはいかないし』
「…そっか…」
あの手紙は、本当にサヨナラなんかじゃなかったんだな。
そうだよな。
お前はいつだって嘘をつかなかった。