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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第7章 帰還。


先に目覚めたのは私で、その次に浩二君。

目の前に、私達を泣きそうな顔で、
覗き込む山口さんがいた。

「ど…どうしたの?」

ビックリして声を掛けた。

「だって、鏑木さんも、浩二君も、
 めっちゃうなされてて…心配したんだよ。」

…うなされてましたか…。
私達は顔を見合わせて、

「凄まじい…悪夢やった…。」

思わず、つぶやいてしまった。

「そっか。可哀相…舞ちゃん、そんなに酷い
 悪夢の中にいてたんや…。」

訳も分からず、そうつぶやく山口さんに…私達は、
苦笑いをしていた。

その後、しばらく舞ちゃんの目覚めを
待ってみたんやけど、なかなか目覚める様子がなかった。

それどころか、時々微笑みを浮かべては、
スヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。

「きっと、悪夢から解放されて、久しぶりに
 ゆっくりお昼寝ができてるんやわ。
 二人とも、ほんまにありがとう。」

山口さんは、優しく舞ちゃんの頭を撫でながら
私達にお礼を言ってくれた。

「…ほんじゃあ、舞ちゃんのお昼寝も
 邪魔したないし、そろそろ帰ろか。
 マジで疲れたし…。」

そう言って、浩二君は私を見ながら立ち上がった。

「うん。そうやね。また、しばらくどんな感じか
 舞ちゃんの様子、聞かせてね。」

私達は、眠る舞ちゃんに「またね」って
つぶやいて、部屋を出た。

山口さんは、改めてお礼を言ってくれ、
玄関先まで見送ってくれた。
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