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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第1章 欲。


昨日は、あんまり眠れなかった。

何回も、何回も…浩二君との事を思いだしては、
布団の中で転げまわっていた。

夜、浩二君からメールがきたけど、
内容は、明日の待ち合わせ場所と
時間のみの味気ないものだった。

…えっ?これだけ?
あんな事したのに…?

触れられたら、触れたくなった。
手が届きそうな距離だと思ったから、
『欲』が出た。

もっと…近づきたくなった。

学校以外で会えるなんて…
依頼の事はもちろん忘れてないけど、
服装選びに…一時間かけてしまっていた。

「やばい。もうこんな時間やん。」

遅れるとばかりに、私は家を出た。

待ち合わせは、駅。
なんだか…デートみたいやない?
これって…。

駅に向かう私の足はすっごく
速足だった。



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