第2章 forever love 〜カリム編〜
カリムside
あいつは急に現れた。
入学式に遅れてきた学園長と2人と…1匹の新入生。
闇の鏡に告げられたのはスカラビア、だけどあいつは魔法が使えないらしい。
スカラビアに来るように促したのは、魔法が使えなくてもスカラビアと言われたのなら、うちの寮生だ、と言うのは本当。
でも、表情がコロコロ変わって、よく笑うあいつが気に入ったから、スカラビアにいて欲しいと思ったのも理由だった。
あいつが笑うとオレも笑ってしまう、そんな感じ。
今までそんなふうに思ったこと無かったのに。
そんな気持ちにしてくれたあいつには、なんとなく一緒にいて欲しいと思ってしまった。
学園長と何か話していたみたいだけれど、クルっと後ろに振り返り、笑顔でこちらに来て、ニコニコとオレの方を見てるから、名前を聞いた。
リリカという名前らしい。珍しい響きだけど、いい名前だと思ったのは本当。
リリカらしい、いい名前。
ジャミルはリリカのことを迎え入れてくれるだろうか。
魔法が使えないやつなんてスカラビアに必要ないと言われてしまったらどうしようと言う不安が募るが、ジャミルなら大丈夫、と信じて寮に向かった。