第32章 迷子の迷子の鬼狩り様✳︎煉獄さん
「はい!何も言わせません!私はこの隠れ家を出て、自由に、自分の思うまま、煉獄様に尽くす人生を送るのです!」
「ほどほどに頼む!」
「善処します!」
こうして私は、人里離れた隠れ家を捨て、私の命と、心の恩人である煉獄様に尽くし生きると誓いを立て新たな人生の幕を開けた。
「…なぁすずね、いい加減、俺の好意に気がついてはくれないか?」
「こうい…?煉獄様、なにかしたいんですか?」
「…先は長そうだ」
鈍い私が煉獄様の好意に気がつくのも
自分がとっくに
煉獄様に好意を抱いていることにも
気がつくのは
ずっとずっと先のこと
-完-