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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第31章 2人で初めてのmerryXmas♡extra※裏表現有


「…言っていることとやっていることが随分と違うようだ」


言葉ではそう言いながらも、杏寿郎さんはとても嬉しそうに口角をいつも以上にクッとあげそう言った。そして、グラスに入っているワインの3分の1程を一気に口に含んだ。


「…ん…だって…」


杏寿郎さんの顔を見上げると、クッとその手が私の顎を優しく掴み


「んむ…」


性急に唇を塞がれ、熱い舌と共に渋みの強い赤ワインが口内に入ってきた。

ゴクリ

反射的にそれを飲み込みはしたものの、あまりにも急な出来事だった為に全てを飲み切ることができず、飲み込めなかった分の赤ワインがつーっと口の端から首へと垂れていくのを感る。


ちゅっ


と、音を立てながら杏寿郎さんの唇が私のそれから離れていくと


「…こら。キチンと飲まないとダメだろう?」


スッと目を細め、私の目を欲の孕んだ目で見つめてくる。その目が、ただでさえお酒の影響で蕩けてしまっている私の思考をさらに蕩けさせた。


「…ん…ごめん…なさい…」

「仕方のない子だ」


杏寿郎さんはそう言うと、口の端から垂れ、鎖骨の辺りまで来ていた赤ワインへと顔を寄せ

つつつー


「…んぅ…」


下から上へと移動していくように、熱く柔らかな舌を這わせワインを舐め取っていく。その感触がなんとも気持ち良く、私は天を仰ぐように真上に顔を向けてしまった。


…杏寿郎さんの舌…柔らかくて…あったかくて…気持ちいい


そう思っていたのに、杏寿郎さんの舌は、私の口の端をペロリと舐め終わるとスッと離れていってしまう。物足りなさに襲われた私は、私を上から見下ろす杏寿郎さんの目をじっと見つめ


「…ね…杏寿郎さん…ここも…舐めて…?」


そう言って、チロリと舌の先を薄く開いた口から覗かせた。杏寿郎さんは私の言葉に目をカッと見開くと


「…っ…いいだろう」


私の顔に再びその端正な顔を寄せてきてくれる。

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