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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第28章 雨降って愛深まる✳︎煉獄さん※裏表現有


そのまま戸惑う暇もなく


「…え…あの…?」


まるで猫が飼い主にそうされるようにプラーンと甘露寺様により宙に浮かされていた。


脇が…痛い。いやでもそれ以上に何かしらこの状況は…私は一体どうしたら…?


縋るように杏寿郎さんの顔を見るも


「甘露寺は俺に負けず劣らず力があるからな!凄いだろう!」


返ってきたのはそんな素っ頓狂な言葉。


「…あ…え…そうじゃなくて…」

「俺もまだすずねをそんな風に抱いたことはないのだが…よもや甘露寺に先を越されてしまったな!」


はっはっは!


そう言って楽し気に笑っている杏寿郎さんと


「やだやだ!私ったらまたお2人の邪魔を…すみませんすみませんっ!」


私を持ち上げたまま謝り続ける甘露寺様との変てこりんな状況は


”お邪魔しま…え…?皆さん…何をしているんでしょうか?”


私を心配して来てくれた千寿郎さんが来るまで続いたのだった。


その後、数日間、私の脇は痛かった。

















そうして私と甘露寺様は


”君たちは少し仲が良すぎるのではないだろうか?”

”あら?杏寿郎さん…ヤキモチですか?”

”やだやだ!私にヤキモチ焼いちゃうなんて…煉獄さんたらかわいい!”

”…仕置きが必要なようだな”

”…っ…そんな必要ありません”

”…なんだかとっても大人の香りがするわ”


と、杏寿郎さんがヤキモチを焼いてしまうほどの関係になったのだ。












周りに決められた私と杏寿郎さんの関係だけど
そんなのは関係ないほどに


"私たちは心から愛し合っている"


そんな風に
今は自信を持って言える。













「ほら。俺の部屋に行くぞ。こっちに来なさい」

「…っだめです!まだこんなにも日が高いのに!」

「暗かろうが明るかろうが俺の目はよく見える!だから気にする必要はない!」

「…っ!」








-完-
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