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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第17章 お金が欲しかっただけなのに気がついたら君主の寵愛を受けていた


「…でも…っだって…」

「すずね」

懸命に言い訳を探す私の名を、杏寿郎様の真っ直ぐで伸びやかな声が呼び、

「諦めろ」

「…っ!」

顎を掴まれグッと視線を合わせられ

「もうお前しか抱きたいと思えない。俺をこんな風にした責任を……取れ」

杏寿郎様は目を細め、
ニヤリと妖しい笑みを浮かべた。




あぁ…もう逃げられそうにない




"杏寿郎様の妃にはならない"

という選択肢はないという事を

私は認める他ないようだ。



「………はい…」

























ほどなくして
かつてないほどの天災がこの国を
そして周辺の国を襲った。


豊かだった資源や食糧は激減し
財政は急激に悪化を迎え
人々は貧困に苦しんだ。


けれども
雑草のように逞しい
スルタンの妃の助言の数々で


他の国よりも遥かに早く
持ち直しに成功したこの国は


いつまでもいつまでも
豊かで幸せな国になったそうだ。


6人の世継ぎを産んだ
雑草のように逞しい妃は


スルタンである夫から
もうお腹いっぱいですと
言いたくなる程の寵愛を


お互いがヨボヨボになるまで
そして妃がその生涯を終えるその時まで


賜ったのだという。


















めでたしめでたし。














✳︎スルタンコラボ-完-✳︎


♡Special thanks to 野宮おるは様♡


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