第17章 お金が欲しかっただけなのに気がついたら君主の寵愛を受けていた
「…違うん…ですか?」
漏らしたわけではないと知り、安心した気持ちと、それじゃあ一体さっきのはなんだという答えを知りたくて、私は杏寿郎様をじっと見つめる。
「知らないと言うことは、今のは初めという認識で構わないな?」
「…はい…」
「…そうか」
心なしか嬉しそうにそう言う杏寿郎様に
教えてくれないの?
そんなことを思っていると、
「…っ!」
自分のソコに、杏寿郎様の熱く反りたったソレを充てがわれるのを感じた。
クチュっクチュっ
と音を立てながら私のソコに擦り付け、
「…普段はこんなにも早く挿れたいと思わないんだがな…」
汗ばみ、眉間に皺を寄せそう言う杏寿郎様に、私はどうしようもない興奮を覚えた。
「俺をこんな風にした、責任を取ってもらおう」
「…え?…っぁぁあ!」
"責任とは何ですか?"
そう問う暇もなく、杏寿郎様が私の中に
ズプリ
と侵入し
「…あぁ…いやぁ…んぅ…!」
初めから激しく揺さぶられる私の身体は
「…っこれは…すごいな…っ!」
きもちいい
以外何も感じることは出来なくて
「…あっ…やぁ…杏寿郎…さまぁ…っ!」
「…もっと…呼べ…っ…」
杏寿郎様の思惑通り、
「…杏寿郎さまっ…杏寿郎…さまぁ…っ!」
昨日の出来事なんて綺麗さっぱり忘れてしまっていた。
「…っ…だめっ…あぁ…止まっ…てぇ…っ!」
「…っ…イキそうか…?」
快感に支配された私は、その問いに、こくこくとただ頷くことしかできず、
「…なら…素直に…そうなるといい…っ!」
「…あっ…やっ…んっ…だめっ…いやぁぁぁあ!」
「…くっ…!?」
あっという間に2度目の絶頂を迎えると同時に、杏寿郎様の熱くなった身体が私の身体にピッタリと隙間なく寄せられ、その熱い欲か私の中に吐き出されるのを感じた。
…中に…出されちゃった…
杏寿郎様は余韻でぐったりとしている私のおでこを一度撫でる。
「こんなにも早く搾り取られるとは…不甲斐ない」
そう言い、身体を休めているようだった。
「…っひゃ!」
けれどもグッと私の腕を引っ張り、杏寿郎様の下腹部に腰掛ける体勢にされてしまう。そして、
「…っやだぁ!…っ…待って…くださ…い…っ!」
「…残念だが…俺は…まだ…満足…していない」
ゆっくりと下から私の身体を突き上げた。