第17章 お金が欲しかっただけなのに気がついたら君主の寵愛を受けていた

私を強引に抱き抱え、寝台に転がし、服を脱がす手際の良さと言ったら、"流石百戦錬磨のスルタン様"と言いたくなる程に鮮やかなものだった。


　



「…んぅ…あっ…」

「意外に敏感な身体をしているんだな」

「…だって…そんなに…っん…摘む…からぁ…」

両胸の中心をクニクニとしつこいほどに刺激され、私の身体は熱すぎると言うほどに熱くなり、下腹部はもう寝台を汚してしまっているのではないかと心配になる程グズグズに濡れていた。

「このすずねの姿を、他の男も目にしたことがあると思うと腹立たしい」


そう言いながらようやく杏寿郎様の手が離れていき


やっと解放された


そう思っていたのに、

「…っあぁ！」

今度は絶妙な加減で歯を立て齧りつかれ、その初めての刺激に私の下腹部がキュンと大きく反応する。けれども何故かその時、ふと頭によぎった


いつも焦ったいくらい優しく舐められてたっけ


もう好きじゃ無い、とはまだ言えそうにない彼の愛撫。

「…んぅ！」

「俺に触れられながら…まさか他の男のことなど考えてはいないだろうな？」


何で…わかるの？


「何でわかるとでも言いたそうだな？」

筒抜けになっている自分の気持ちが恥ずかしく、私は黙ってこくりと一度頷く。

「侍女でない女のお前は…随分と素直でわかりやすい」

杏寿郎様はそう言うと今度は先程とは反対側に齧りつき、かと思えば優しく吸われ、もう片方を指の腹でクニクニと刺激する。

「…んぅ…もう…やだぁ…」

杏寿郎様の唇がチュパッと音を立て離れていき、

「お前の身体はそうは言っていないようだが？」

両肘を私の顔の横に置き、グッと私の目を覗き込むように杏寿郎様の顔が寄せられる。

その瞳に見つめられ、自分の痴態が恥ずかしくて堪らないはずなのに、なぜか目を逸らすことができない。

「…っ…そんなことんありません…」

「ほぉ…。俺に嘘をつくとは…いい度胸だ」

スッと右腕が下にずれていくと、

「…嘘なんかついてませ…んぅ…っ！」

クチュ

といやらしい音を立て、私のソコに杏寿郎様の手が触れる。