第3章 週末はあなたと2人で【暖和】※裏表現有
今日は金曜日。普段なら仕事が終わったらすぐに槇寿郎様と瑠火様、そして千寿郎さんの待つ煉獄家に帰るところだが、今日は杏寿郎さんと私が2人きりで過ごす為に借りた部屋に帰る日。正直言うと、未だにお金が勿体無いし、わざわざ家を借りなくても…と思っている。けれども杏寿郎さんがあまりにも毎週楽しみにしているし、そんな杏寿郎さんの姿を見ていると"まぁ良いか"なんて思ってしまうのだから仕方がない。
愛する人の幸せそうな顔が見られる。それだけで私の心も幸せでいっぱいだった。
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仕事を終え、職場と借りている部屋のちょうど中間地点にある大型スーパーへと、食材と杏寿郎さんの晩酌用のお酒を調達する為に立ち寄った。
夕食は…何が良いかな。
カートにカゴをひとつ置き、カラカラと押して店内に入る。チラリと腕時計を見るともう時刻は6時を回っていた。買い物をして、借りている部屋についてから作り始めるから手のかかるものは作れない。杏寿郎さんも7時半頃には着けると連絡が来ていた。それらを考慮し
「…ミートソーススパゲティとコンソメスープにしようかな」
今日のお夕飯のメニューを決定した。
玉ねぎ、にんじん、セロリ…は私が苦手だから無し。キャベツ、合い挽きひき肉、トマト缶、パスタ。
明日の朝ごはんは…フレンチトーストが食べたいな。
卵に、バケットに、牛乳、きび砂糖はあるから大丈夫。でも杏寿郎さんにはフレンチトーストだけだときっと足りないから、少しお高めのソーセージでも買ってあげよう。
あとは杏寿郎さんの晩酌用のお酒。いつも煉獄家で杏寿郎さんと槇寿郎様が飲んでいるのを買えば良いかな。おつまみは…スモークチーズとサラミを買っておこう。私は今日お酒を飲む気分じゃないから…あ、私の好きな牛乳プリンがある!晩酌とは違うけどこれを買って杏寿郎さんが晩酌してる時に一緒に食べよう。
そんな風に買い物をしていると気がついたらカゴの中はいっぱいになっていた。
レジに通し、買った商品を買い物袋に詰め車へと向かった。助手席にの方に周りドアを開け荷物を置き、その後運転席に乗り込む。
よし。行こう。
車を走らせ、私は2人の住まいへと向かった。
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ミートソースとコンソメスープを火にかけていると
ピンポーン
と玄関チャイムが鳴った。