第14章 ファインダー越しじゃない貴方と✳︎煉獄さん
日曜日の朝、目が覚めて時計を見ると、まだ6時。普段であればまだ目をつぶっていたいと思う時間だ。けれどもカーテンの隙間から射し込む太陽の光が、外はとてもいいお天気だということを示している。
「よし……行こう!」
私はまだベットでゴロゴロしていたいという欲求を抑え、着ていたパジャマのボタンに手を掛けた。
軽い腹ごしらえにトーストと、自分へのご褒美に買った真っ赤なイチゴを頬張る。最後に甘いカフェラテを飲めば軽い朝食としては十分なボリュームだ。
「…おいし」
結局もったいなくて2粒しか食べなかったが、帰ってきたらまた食べればいいかと思いイチゴを冷蔵庫へともどした。
早朝なのでそんなに人はいないだろうと、軽く身なりだけを整え、動きやすいジーンズとTシャツ、黒のカーディガンを肩から引っ掛ける。最後に棚に置いてある、5年以上大切に使っている一眼レフカメラを肩から掛け、
「よし。行こう」
スニーカーを履き、玄関の扉を開け、私は徒歩10分ほどで到着する森林公園へと出発した。
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朝の空気はとても気持ちがよく、雨上がりということもあり地面がキラキラと太陽の光を反射してとてもきれいだった。
公園に到着し、辺りを見回すと想像していた通り、いたるところが雨露でキラキラとひかり、ここに来るまでの道で見てきた景色と同様にとてもきれいだ。
いい写真が撮れそう。
どんな写真が撮れるのか、考えると心が躍った。
写真を撮りながら森林公園を歩き回り、たくさんの花が植えられているエリアにたどり着く。そこには白、ピンク、黄色のマーガレットがたくさん咲いており朝露を乗せたその花びらや、葉っぱがとても綺麗で目を奪われる。カメラのレンズを単焦点レンズに変え、その場にしゃがみ、その綺麗な花びらに出来るだけレンズを寄せる。
シャッターをきり、取れた写真の出来栄えを画面で確認すると、想像した通りの写真が撮れており、思わず口角が上がった。きらきらと光る朝露があまりにもきれいで、無意識に花に手を伸ばしたその時、
「…っ痛!」
指にピリッと電気が走ったような痛みが一瞬走る。