第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)
「これ、仁王に頼んだ」
「は?どういうことじゃ。丸井」
「そのままの意味だ。女の日暮じゃ重たくてモテねぇぞ」
そう言った丸井君が持てるのは、両腕に付けているパワーアングルのおかげなのだろう。
雅治に、荷物を明け渡すと、「じゃあな」と帰って行ってしまった
「何だったんじゃ」
「さぁね」
マンションのエントランスを開け1204と押すと開いたドア
「何で俺の誕生日なんじゃ」
そう言って来た雅治
「内緒」
そう言った私には不服そうだけど
恐らく柳君もこれは知らないだろう
「どうぞ?」
「お邪魔するぜよ」
この家の中に誰かを入れたのは、雅治が初めてだ
「で?」
「で?」
で?って何?
「何で、柳や幸村じゃなくてあの、ブタと一緒に買出し何じゃ」
また?
「その2人からのご指名だよ」
「ほぉ。じゃがのぉ、参謀はお前のご指名だと言っておったぜよ」
はい?
「俺が信じるんは参謀じゃ。じゃが、お前さんが他の男と一緒に部活で話してるのも、買出しに行くんも許せんぜよ」
「!?」