第2章 ONE And ONLY2 (仁王雅治)
あたしがいるのは氷帝sideの観客席だ
「ブンちゃん、ジャッカル、君」
氷帝テニス部は初等部、中等部の成り上がりのメンバーがほとんどだ。
大学も、ほとんどの人間が氷帝の大学へ進学することも知っている
「大丈夫ですよ。月渚さん」
「え?」
「跡部さんが言っていましたよ。
恐らく勝つのは立海だと」
「!?」
何で、そんなこと言うの?
氷帝だって、負ければレギュラー落ちなのに
どうして、そんなことを…
「跡部さんは、これは非公式の試合だから、レギュラーとかそんなの関係なしに
自分たちの今の実力と、月渚さんに見せたかったと。勝者の輝きを」
「・・・っ」
「だから、今日の試合も承認して、月渚さんがいつでも氷帝に戻ってこれるようにと」
「バカ、だなぁ。跡部も」
試合を見ると、氷帝がダブルスを押してきていて
あのペアに勝つのは至難の業かも知れない。
鳳君のスカットサーブも、中学の時とはくらべものにならない威力があって
「ウス」
「樺地?」
「どうして?」
「跡部さんからです。下の氷帝側に来いと」
「!?」
「行ってください。月渚さんは、ここで見ている人じゃないでしょう?」
そう言ってくれる氷帝の部員たち。
さすがだよ200人以上を束ねて来ただけはあるのかもしれない
「行って来るね」
席を立つと、立海の方からは見えにくい場所で良かったと思った