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Short story

第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)



「幸村、余計なことを言うんじゃないぜよ」

「本当の事だろう?」

ドリンクを飲み終えたらしい部員たちは、各々の練習に戻って行く

「日暮」

「幸村君?」

「頼みがあるんだけどいいかい?」

頼み?私に?

「これは、日暮にしか頼めない事なんだ」

私にしか頼めないっ事って何だろう?

そう思っていると
帽子をかぶっている真田君の
「これより、ダブルスの練習を開始する!」
そう大きな声で言った瞬間、丸井君と桑原君以外のメンバー全員が嫌な顔をしたのを見逃さなかった。当然、雅治も嫌な顔をしている。柳生君も同じなのだろう

「面白いだろ?」

「うん」

「氷帝は、ダブルスの練習ってどうしてる?」

「だって、ダブルスって言うと、決まってあの2組がメインでしょ?」

「まぁ、そうだね」

あの2組というのは
忍足君と向日君のダブルスペアは確実
宍戸君も高校に入ってからは慈郎君と良く組んでる

「でも、誰がダブルスになっても可笑しくはないけどね?
私は、氷帝のあの歓声にも、テニス部にも馴染めなかったけど」

「そっか」

「それが嫌で、氷帝を出てきたんだから、立海で何を言われても仕方ないのに、皆それをしないでいてくれるから」

「ふふ。そうだね。俺だけじゃないけどさ。立海のメンバーはそんなことで判断するような奴らじゃないし。そんな事を言ったら柳は小学校の途中まで青学の乾と一緒だったんだから」

乾・・・?誰だっけ?

まぁいいや。そのうちわかるだろうから

「さっきの話だけどね」
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