第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)
翌日、丸井君ではなく仁王君がエントランスに来ていて
「何でいるの」
「その荷物、貸しんしゃい」
「は?」
私の腕から、昨日買った荷物を奪い取った雅治は、それをもって反対の手で私の手を握って歩き出した
「ちょっ」
「いいじゃろ。お前さんは俺の女じゃ」
だからいつ、そうなったって言うの!?
学校に着くと来ていたのは幸村君と柳君だけで
「何だ、2人で・・」
そう言った幸村君の目線は私の首もとで、コンシーラーで隠そうにも隠し切れなくて、そのままになってしまったのと
スカートから時々のぞかせる太もものキスマーク
「随分と執着しているな仁王」
「こいつは誰にもやらん」
「随分な独占欲だね」
「ちょ、手を放してっ」
ぱっと離してきた仁王君
そして、着替えに行ってしまった。
本人はさほど気にしていないようだが
私は恥ずかしくてたまらないのだ
「しかし、仁王がキスマークを付けるほどだとはな。そして、日暮に関しては自制が聞かないようだ」
自制、ねぇ
「何で、私が丸井君を指名したことにしたの」
「ふっ決まっているだろう。それで、仁王の反応を見ただけだ」
それで、エントランスの前に居られたって迷惑なんだけど
「しかし、それでいい結果を見ることが出来たという物だ」
「はぁ?」