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タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】

第1章 1


「うそー!久しぶりー!偶然!
元気だった?あれ、まだ地元なの?」
「ああ…」

テンションを上げて肩を叩く私に対して、リヴァイは抑揚のない声で相槌を打つ。
リヴァイは昔からそうだ。
テンションがイマイチ上がらない。
だけど昔からの付き合いで、この男のちょっとした表情の変化なんかもわかるようになっていた。
今も少しだけ、ほんの少しだけ表情が柔らかい。

キチンと折り目のついたスーツに少し高そうなトレンチコートを着たリヴァイは、昔よりも筋肉質に成長したようだった。
(昔はガリガリだったもんな…)
幼なじみの成長を感じ、微笑ましく思う。

「会社どこなの?」
「マリア商事だ」
「うそ、大企業じゃん」
「ハッ、まあな」
「うわー余裕の笑みー。
あれ、いつもこの電車で帰ってるの?」
「ああ。ただいつもと乗る車両が違うな。
いつもの車両のところは、いま工事中だ」

15年ほどのブランクを感じさせず、スムーズに会話が弾む。

私は昔、リヴァイに片思いをしていた。
幼い頃の甘酸っぱい思い出だ。
リヴァイは昔から無愛想で、そんな性格がとてつもなくクールに見えた。
勉強はイマイチだったがスポーツが得意で、よく見れば整った綺麗な顔立ちをしていた。
昔はそんな単純な理由で恋をしていたっけなあ、としみじみ思い出す。

所詮、小学校、中学校時代の幼き恋だ。
別々の高校に進学する頃には告白する勇気なんかも持てずに、物理的な距離と共に自然と恋心もフェードアウトしてしまっていた。

地元の成人式でもチラと見かけただけで、これと言った会話もなかった。

懐かしいなあ。
リヴァイが元気そうで何よりだ。
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