タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】
第5章 5
カバンから財布を取り出して中身を探る。
それでもやはり反応がない。
恐る恐る隣のリヴァイを見やる。
「!!」
リヴァイは手で口元を覆い、耳まで真っ赤にさせていた。
「え、リヴァイ?何その反応…」
「うるせぇ…」
やっと絞り出された声は、小さく掠れていた。
もしかしてリヴァイ、照れてる?
というかその反応は…もしかして喜んでる?
頭が追いつかない。
なんでリヴァイが喜ぶ?
「てめぇ…俺がこの一ヶ月…
どれだけ必死に隠してきたと思ってやがる…」
「え…なに?どういう…」
「つまりだな…」
ふーっと長いため息。
もうリヴァイは口元を覆っていない。
諦めたのか覚悟を決めたのか、ほんのり顔を赤くしたまま私を真っ直ぐ見つめる。
「ガキの頃のてめぇのそんな手紙ひとつで舞い上がっちまうくらい、俺はあかねのことが好きなんだよ」
「へ…?」
「ガキの頃からずっとだ」
「うそ」
「嘘じゃねえ」
心臓がばくばく言っている。
女の子に興味なさそうで、私なんかも眼中に無さそうで、小さい頃からいつも不機嫌そうにしていたリヴァイが
今は真剣な顔をして私を見つめている。
「あかねはどうだ」
「え?」
「その気持ちは、ガキの頃だけか」
「えと、その…」
変なプライドで自分を守っていたけれど、少し前から気付いていたこと。
ああよかった。この気持ちを隠さなくていいんだ。安堵と、恥ずかしさが交錯する。
多分、もじもじと言う言葉がぴったりだろう。
木枯らしにかき消されそうなくらいの音量で答えた。
「私も、リヴァイが、好き…」
言い終わった瞬間、グイッと手を引かれる
「わっ」
私の体はリヴァイの胸の中にすっぽりと収まってしまった。
耳元でリヴァイがふーっと息を吐くのを感じる。
お互いの心臓の鼓動が、体と体の間で響いていた。
体の中を嬉しさと愛おしさが駆け巡って、暖かな幸福感にいつまでも包まれていた。