タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】
第5章 5
自分が書いた手紙は封を開けず、そのままココノツ公園へ向かう。
リヴァイの前で開封した方が盛り上がりそうだからだ。
解散後もリヴァイは女の子に囲まれていて、他の男性陣は面白くなさそうな顔をしていた。
あの状態でココノツ公園まで抜け出せるのだろうか?
誰か女の子も付いてきたらやだなあ。
少し心配だった。
学校から10分ほど歩いた先にあるココノツ公園。
遊具がある子供向けの公園というよりは、ちょっとした林や小高い丘なんかがあって、朝なんかは老人たちの散歩コースになっている公園だ。
あれだけ囲まれていたリヴァイなんかはまだいないだろうと思い、来たらすぐに見つけられるよう小高い丘に登る。
しかし2つ並びのベンチにリヴァイが掛けて待っているのを見た時には「この人どれだけのスピードで歩いてきたんだ」とちょっと恐ろしく思った。
「めちゃくちゃ早かったね」
「…来たか」
「何でそんな早いの?私より後に出たよね?取り巻きも巻いてきたの?」
「ああ…」
答える気のない生返事。
代わりにこちらへ突き出された手には、ホットコーヒーの缶が2つ握られていた。
ブラックと微糖。
「え、ありがと。」
「体冷えただろ。俺はどっちでもいい」
「じゃあ微糖の方もらうね」
もらった缶を手で包むと、じんわりと暖かさが手に馴染んでいった。
「それで、なんて書いてあった?」
「まだ見てないよ。せーので開けた方が盛り上がるかなって思って」
「フッ、そうか」
カシュ、とプルタブを開ける音。
ブラックコーヒーを飲むリヴァイの横顔を盗み見る。
上下に動く喉仏が官能的なものに思えて、慌てて目を逸らせた。