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タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】

第4章 4


私たちはまた居酒屋パラディに足を運んだ。
暖簾をくぐる頃には私の涙もいい加減に引っ込んでいた。

席につくなり

「奢ってやる。好きなの食え」

コートを脱ぎがらリヴァイが言った。

「いいよ…この前も奢ってもらったから…悪いよ」
「ふざけんじゃねぇ。男を立てろ」
「ふふ。じゃあ卵焼き食べたい」
「飲まねえのか」
「んー…ハイボール」
「よし」

いまだ涙声な私に気を遣ってか、リヴァイが店員さんに全てのメニューを注文してくれた。

この前のように頼んだ飲み物とお通しが一瞬で出てくる。
今日のお通しは何かの魚の酢締めのようだった。

「何があった」
「…仕事の発注ミス…。
私のせいでお客様も取引先にもすっごく迷惑かかったし、チーム全体も3日くらい謝罪やフォローで残業増えちゃって…
ほんと、入社何年目だってくらいの凡ミス。
情けない…」
「…大変だったな」

遠慮がちに掲げられたグラスに自分のグラスをコツンとあてる。
さっきまでぐずぐずに泣いて水分を消費していたからか、喉を流れる酒がやたら美味しく感じた。

それにしても、仕事でミスしてベソかいてる女を励ますために飲みに連れて行くなんて、リヴァイも大人になったものだ。
昔は誰が泣こうが喚こうが、鬱陶しそうに舌打ちするだけだったのに。

そこまで考えてふと、違和感を覚える。

あれ、でも前にもリヴァイに慰められたことあったような…
なんだっけ。
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