第16章 16
「ボウヤと手塚。不二はこの間非公式で対戦したしね」
「そうだな」
「いいよ。また対戦しても」
そう言った不二君の何時もは開かれない目が開かれていて
多少なりとは本気。と言った所だろう
「では、不二。俺が対戦をしよう」
「面白いね。いいよ。誰が相手でも」
空いているコートに入っていった柳君と不二君。
幸村君が審判をするということになった
ざわついているクラスメイトに対して、静まり返っているこの空間。立海の時のこの緊張感のある空気感も好きだった。
「何だよ、この緊張感」
「普通のテニスやるよりも緊張するぞ」
「確かに」
「本気の不二がみられるかもしれない」
不二君の本気?
あの中学の時に赤也とやった時以上って事?
「よろしく頼む」
「こちらこそ」
不二君のサーブで始まった対戦。
「面白いサーブを打ってくるものだ」
「え?」
「だが、この俺が返せないはずがない」
そう言って打ち返した不二君のサーブ