第16章 16
「では、精市。青学のテニスの見学とでも行こうか」
「あぁ。いいねそれ」
え゙?2人とも見る気満々なの?
「見なくてもいいじゃん」
「いやだなぁ。日暮の運動音痴がどこまでかなんて興味ないんだよ」
この人、絶対に面白がってる気がする。
「でも、テニス見たらしたくなるんじゃない?」
「それもそうだろうね」
この2人の練習は、立海でもめったに当たらない。
寧ろ柳君は誰とでも行けるからと、中学の赤也の練習相手にさせられていることも多く見られている
ジャージに着替え込んできた私を見て
「青学のジャージ姿の日暮って」
「なんだか、ジャージに切られている感があるな。物凄く」
「うぅ~。見られたくなかったのに」
「何を言っている。仁王のジャージを譲り受けた奴が」
「!?」
「何でそれを知っている。とお前は言う。簡単なことだ
この間、立海で試合をした時も青学で試合をした時も、仁王がジャージを投げ渡しているのがお前であるということ。
その直後に、ワンサイズ大きめのジャージに変えている仁王の行動を見れば、お前が持っているのだろう?」
「ご名答。雅治の前のジャージは私が持ってるよ。合宿できようと思ってるから」
「なるほど。それはまた随分と面白いことをする」
「でも、雅治には内緒ね?着ないって本人にはそう言ってるから」
「わかった」