第16章 16
「私、初めてかも。幸村君の家に行くの」
「そうなんですか?」
「うん。だってほら、いつもさスマホで連絡も取れるし
何かあれば、家に来てたし」
「あぁ。そう言えばそうでしたね」
「アイツの家も幼い妹がいるからな。今日も本当は日暮の家でするつもりだったんだがな。セナとマミという妹がいるが、セナの方は中学生。マミの方はまだ幼稚園という話だ」
「え?」
そんなに幼い妹がいるんだ?
「ほぉ」
「マミの方が昨日から精市から離れてくれないそうだ。
そこで、急遽精市の家に行くことになった」
「なるほど」
「幸村君も優しいお兄ちゃんなんだろうなぁ」
「まぁ、そうだろうな」
図書館からそう離れていない距離にある随分と大きい家。
そこに止まった柳君と柳生君
「ここだ」
「へ?」
「相変わらずデカい家じゃのぉ」
チャイムを押した柳君の後ろで待っていると、
幸村君に似た小さい女の子。