第14章 14
「久しぶりだな。貞治」
「あぁ。ここでも、当たるとは思わなかったぞ」
「俺もだ」
「面白い対決だよなぁ」
「おにーちゃん」
「おわ」
眠くなってしまったのだろう
雅紀君が、雅治のジャージの中に潜りこんでしまった
「横になってんしゃい」
横になった雅紀君にジャージをかけてあげている雅治は
とことん甘いお兄ちゃんだ
乾君も柳君もほぼ、互角と言って良いだろう
「6-5」
あと、ワンゲーム取れば、柳君の勝ちだ
だけど、乾君の事だ。
タイブレークまで持ち込んできそうだ
「6-6。12タイブレーク!」
「タイブレーク」
「ここまで続くのかよぃ」
「しかし、立海(うち)の参謀は
やられたらやり返す男ぜよ」
「確かに」
「柳が今まで立海以外で負けたのは
公式での去年の青学戦だけだ」
「勝者、立海大付属柳。7-6」
汗ダクダクで帰って来た柳君
「お疲れ様」
「あぁ。青学もあれから力を付けたようだ」
「え?」
「お前には分からないくらい。ということだろう」
あ、そうですか。
でも、柳君が言うくらいだ。それだけの
力も付いているのだろう
「この後の方が面白いんじゃないか?」
確かに
「この後?こちらは幸村だろう?
向こうは」
「不二君だよ」