第14章 14
柳生君がレーザービームを繰り広げる中
いとも簡単に返されてしまう
「ごめん。ちょっと、雅治の所行って来る」
「あぁ」
末っ子の妹を抱えて
雅治の所に行くと
「何じゃ、泣いてしもうたんか」
「うん」
「雅紀と言い、雅衣(マイ)といい
よぅ泣くのぉ」
「マイちゃんって言うんだ?」
「あぁ。いっとらんかったな。
雅に衣と書いて雅衣と読むんじゃ」
「そか」
「って言うか、ダブルス。柳生くんと真田君だったんだね」
「あぁ。面白いじゃろ」
「初めてだよ。あんなペア見たの」
「だろうな」
泣き止んだであろう雅衣ちゃんを受け取り
雅紀君も泣き止んだのを確認すると
「さて、戻るとするかのぉ」
「大丈夫じゃ。雅紀は強いんじゃろ?」
「うん」
「なら、いつまでもメソメソしてなさんな」
「おんっ」
コートに戻ると
「何じゃ。まだやっておったんか」
「あぁ。手塚ゾーン攻略がなかなかできなくてね」
「あぁ」