第1章 再会
「まったくよぉ...。お前もいい大人だろうが。あの時と違うんだぜ?みっともねぇなぁ。」
と言いながらも、昔のままの優しい声色で頭をふわふわ撫でてくれるのが嬉しかった。
あぁ、どうしてこうも嬉しいんだろう。
お兄ちゃんに抱き着くわたしを横から梅も一緒になって抱きしめあった。
人目もはばからず、大きな声を出して涙を流して再会を喜んだ。
何年ぶりかな。子どもみたいにこんなになったの。
きっと、まだ、わたしたちが、子どもの頃に築いてきて
ある日突然奪われ失ったものが、違う形で戻ってきたんだ。
再会をひとしきり喜んだ後、
泣き顔を必死に気にする梅と一緒に女子トイレに駆け込んでメイク直しして、
二人の間に並んで歩いた。
嬉しくて嬉しくて仕方なかった。