第2章 試し書き
「なにかいるのかい?」
鳴き声を探すと
「ぴー··ぴす··」
「ケガしてるの?失礼」
ひょい
(擦り傷みたいだな··薬は今持ってないし、ハンカチならある)
ビリリッ
シュルッ
「出来たよ。ここの吸血鬼様に話して治して貰うんだよ?」
「ぴーー」
(コウモリも可愛いもんだな)
「ここの館は綺麗だね。きっと住んでる吸血鬼も優しいんだろうね」
私はケガしてる君にそう話していたら
ヌッ···
ガシッ!
「!?」
後ろから誰かの手が私の口を塞いだ。
「まだいたのかガキ」
「?!(声からして知らない男の人···)」
「良くもまぁ生身の姿で来たもんだ。」
(ふえー!なんなの?!ってか力強くて振り解けないし!)
「まぁいいや。人間に聞く」
「もが?(はい?)」
「···俺の夢の奴を知らないか?」
「···もご(えっ)」
ぱっ
「日本語喋れよ」
ぷはっ
「いきなり口塞ぐ貴方が言えた事では··!」