【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
牧師が聖書からいくつかの言葉を引用したあと、入れ替わりでエルヴィン団長が皆の前に立った。
皆の顔を見渡すその蒼い目は、憂いに満ちてはいたが絶望を宿すことなく、この死を悼む場ですら外の世界への希望でキラキラと輝いているようだった。
「今日この日」
エルヴィン団長が口を開く。
静かな語りかけなのに後方の私たち新兵にまで声が届く。
「3人の兵士が旅立つ。
アナイス・オトマン、マルク・コロソフ、ヴィゴ・シンバリ。
未知なる巨人に立ち向かい、その心臓を人類に捧げた。
勇敢な3人は英霊となり、その魂はこれからも我々に力を与え続ける。
必ずや、人類の反撃の糧となろう。
ここに、3名の勇気を称え献花を捧げる」
兵士が亡くなるたびに同じ口上を述べるのだろう。
エルヴィン団長は全く言い澱むことなかった。
わざわざ教会から運ばれた白い献花台に、エルヴィンをはじめ兵団の幹部たちが白いカーネーションを供えて行く。
遺族はその喧嘩台のそばで、献花をする幹部一人一人に頭を下げている。
私たち新兵は敬礼をしながら、葬儀の様子を静かに見守ることしかできなかった。