【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
リヴァイ兵長の献花の番になった。
不意に親族の一人の男性が顔を上げる。
「あなたがリヴァイ兵士長か」
静かな葬儀の場だ。男性の声が後方までよく響く。
皆が男に注目する。
男は目を見開いて、兵長を見つめていた。
「そうだが、何か」
「お前が…お前が弟を守っていれば…」
そこから私のもとまで届いてきた音は、何人かの悲鳴、男の怒号、鈍く嫌な音だった。
何が起こったかわからず、敬礼のまま間抜けに戸惑う。
状況をいち早く理解して口を開いたのはビアンカだった。
「リヴァイ兵長が襲われた!?」
「えっ」
隣にいるエマのヒュッと息を吸う音が聞こえる。
目をやれば、エマは口元を手で覆って真っ青な顔になっていた。
敬礼を崩し、私たちも含めて何名かの兵士が前方へ集まったときには、男はもう取り押さえられていた。
リヴァイ兵長が、取り押さえられた男を見下ろすように静かに立っている。
兵長の足元で男は目一杯に暴れて叫んでいた。
「お前、人類最強の兵士なんだろ!!
巨人を倒すばっかりで、なんで弟は助けてやれなかったんだよ!!
俺の弟の命は巨人以下か!?
なにが英霊だ!!弟は、遺体さえ戻ってこないじゃないか!!!」