【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
エマならきっと大事にしたいと思われるのだろう。
だって前を歩くエマはこんなにも可憐だ。
兵長は愛する人をどんなふうに大事にするのだろう?
「エマ…」
愛おしそうにエマを呼ぶ兵長の姿を想像する。
目に涙が溢れた。
(そう言えば私、兵長から一度も名前で呼んでもらったことないなあ)
胸が痛い。
「ポーラ、大丈夫?
なんか涙目になってない?」
口数が少なくなった私の異変を感じたのだろう。
ビアンカが声をかけてくれた。
「うん…マリアが襲われたときのこと、思い出しちゃって」
「…そっか。怖かったね」
エマが肩を抱いてくれた。
最低だ。
友達をだしにして嘘をつくなんて。
本当は色ボケたことを考えていただけなのに。
大好きな友人に秘密を作ったり、騙したりすることは辛い。
こんなこといつまでも続けては行けない。
リヴァイ兵長、貴方だってそうでしょう?
貴方は愛だの恋だのは関係ないなんて仰いましたが、それは違います。
きっと本当の恋愛をしたことがないだけです。
愛する人を喪ってきた経験が多すぎた。
きっと、誰かをまた愛し始めることに臆病になっているだけです。
私を貴方の幸せの足掛かりとしてください。
きっと私から身を引く時がきます。
そのとき貴方の隣に、愛する人がいてほしい。