【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第6章 三ヶ月後
そういえば今日、新兵らしき女を助けた時にコイツが足元にいたような。
ボンヤリと思い出す。
「わたしっ…すぐに剣を抜けなくて…っ!
ック、マリアがっ、マリアが死んじゃうかもって…!ヒック、思ったのに!!
何も…な、なにもできなくてっ…!んっ…
ヒック…兵長が、来てくだ…来て下さらなかったら…!マリアはっ…私はっ…!」
ひどくしゃっくりあげながら思いを吐露するポーラを、ただただ見つめていた。
初めての壁外遠征で、思い通りに動ける奴の方が稀だ。
ダチが喰われそうになって逃げ出さなかっただけでも及第点だろう。
使い物にならない新兵たちだからこそ、エルヴィンの長距離索敵陣形では比較的戦闘の少ない「伝達」を任せていた。
仲間を喪うかもしれないという恐怖は俺にもわかる。
何か一つでも気の利いた言葉をかけてやりたかったが、口から出たのは「気にするな」の一言だけだった。
しゃっくりあげるのが収まってもポーラはしきりに目の当たりを抜くっていた。
「…おい」
「はい」
目と鼻が赤い。
「あんまり泣いてると、また襲っちまうぞ」
こうやって言えば、この女の涙もいい加減引っ込むだろうと思った。
しかし
「兵長、抱いてください」
ポーラは涙で潤んだ目で、懇願してきた。