【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第6章 三ヶ月後
「3時の方角より巨人!!目視で一体確認!ポーラ、煙弾を打て!!」
索敵支援班の先輩兵士が叫ぶ。
体全体が粟立つような恐怖に取り憑かれた。
指し示された方向を見ると、かなり遠いが巨人の姿が見えた。
13〜17メートル級だろうか。
小さくはない。
震える手で煙弾砲をかかげ、引き金を引く。
銃口から赤い煙が吹き出た。
数秒して前方で緑の信煙弾が上がるのが見えた。
陣形の移動だ。
手綱を引き、左手側へ方向を変える。
震えが手綱を通して馬に伝わったのか、緊急用の馬が少し拒絶するように鼻を振った。
「大丈夫だからっ…!こっちだよ!」
泣きそうな声で馬に言う。
「ポーラ、大丈夫?」
少し後ろから声がした。
マリアだった。
さっきから緊張している私を、後方から見守ってくれていたのだろう。
マリアと近い配置でよかった。
「ありがとマリア。大丈夫だよ」
「うん、巨人からも離れたね!さっきの信煙弾、ナイスだったよ!」
「ふふっ」
自然と緊張が緩む。
マリアはどんな訓練の時も冷静でお茶目だった。
それが壁外でも変わらないのだから、尊敬する。