【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第3章 次の日
心底不思議そうに訊ねられて、閉口する。
この人は、もしかしたらかわいそうな人なのかもしれない。
人類最強と言われたこの人にもふとした瞬間に人肌を求めるときがあって、でも思うように寂しさを埋めきれないばかりに、こんな捻じ曲がったコミュニケーションを取る結果となってしまったのではないだろうか。
そう考えると、少し切なくなった。
兵長が地下の出身だというのは前に聞いたことがある。
どんな風に生きて、どんな経緯で調査兵団に入られたかは知らないが、きっと地上の人間よりも波乱万丈な人生を歩んで来たのだろう。
女性との付き合い方1つも分からないというのは、納得できる。
だからってこんな乱暴は…許されることではないのだが。
でも相手が私で、まだよかったのだろう。
兵長を好きでいる私で。
だから兵長は私を選んだのだっけ。
でも私の尊厳はどうなる?
私の恋心は…?
「私の…」
「あ?」
考えていたことがそのまま口を突いて出そうになった。
声に涙を滲ませながら、改めて言葉にする。
「私の心はどうなるのですか?」
リヴァイ兵長はつまらなそうに吐き捨てた。
「知るか。てめえの心なんかてめえでどうにかしろ」