【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第2章 はじまりの日
「リヴァイ兵長、昼間は大変申し訳ありませんでし…」
「ポーラ・アンダーソンだな。待ってた」
「ぐっ…」
ソファに近づきながら謝罪の言葉を述べたが、兵長はこちらを見ることもせずカップをカチャンと置いて言葉を遮った。
ソファから音もなく立ち上がり、私の前に立ちはだかる。
立ちはだかると言っても、この方は私と身長があまり変わらない。
真っ直ぐ見据える形で対峙する。
見つめ合いに勝てるわけもなく、私はすぐに視線を下に外した。
心臓が昼間のようにドクドクとうるさい。
そんな萎縮した私を見て面白おかしいのか、リヴァイ兵長は「フン」と鼻で笑った。
「ポーラ・アンダーソン。今から旧棟の手洗い場の掃除を命じる。理由は…わかるな?」
自分の後方、新兵が殆どの人集りがざわついたのがわかる。
旧棟の手洗い場と言えば、古くて汚いことで有名な場所だ。
しかも夜の時間はかなり不気味で、幽霊が出るなんて噂もある。
仕置としては御誂え向きの清掃箇所だ。
「かしこまりました…」
力無く答えるしかなかった。