【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第2章 はじまりの日
夜、食堂をあとにし入浴も済ませたあと
自室に戻る途中で、廊下の一角が妙に騒がしいことに気が付いた。
私たち新兵の居住部屋は西棟…通称「新棟」にある。
旧棟と呼ばれる東棟より25年も後に増設されたこともあって、綺麗でよりシンプルな造りになっている。
新棟には比較的入団年数の若い兵士たちの居住部屋が集まっており、旧棟には会議室や執務室、幹部たちの居住部屋が多く、旧棟の方が豪奢で荘厳な造りになっている。
聞けば幹部たちはそれぞれに個室が与えられているらしい。
「何かあったの?」
「あ、ポーラ!見てよ、びっくりするわよ」
人集りの最後尾にいる馴染みの顔に声を掛けると、私に見やすいようにスペースを作ってくれた。
そこから顔を出すと、談話室の一番目立つソファにリヴァイ兵長が座っていた。
悠然と足を組んで独特なカップの持ち方で紅茶を飲んでいる。
「うっ…」
普段旧棟で生活している兵長がここにいる理由…
心当たりがありすぎる私は思わずうめき声をあげてしまった。
「あ、ポーラ。早く行きなさいよ。兵長様がお待ちかねよ?
絶対あんたを待ってるわよ、あの様子じゃ」
人集りの中心から声がする。
マリアがいた。
縋るようにマリアを見つめてみたが、顎で兵長の方を指し示すだけで何の慰めの言葉もかけてくれない。
仕方ないか…
諦めて談話室に進んだとき、マリアが勝ち誇ったような声で呟いた
「明日の夕食のスープ」