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【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】

第2章 はじまりの日



旧館に入る機会が殆どないため、前を歩く兵長がだんまりを貫いていることも気にせずきょろきょろと周りを見回してしまう。

リノリウム床の新館とは違い、濃い紅色の絨毯が床を覆っていて2人分の靴音を吸収している。

窓や柱には装飾が施され、金欠兵団所有の建物とは思えないほど豪華だった。


「おい、ここだ」


ハッとして前に立つ兵長に注目する。

チラッとこちらを見る三白眼は、まるで「逃げるなよ」と念を押しているようだった。


案内され入った部屋は普通の居住部屋のように見えた。

ベッドにソファ、机に本棚と、殺風景ではあるが明らかに誰かの生活のあとがある。

もしかしたら、手洗いというのは個人の部屋についている便器の清掃なのだろうか。

そうだとすれば清掃の苦痛は一気に減る。


昼間のマリアとの会話を思い出した。

『意外とお優しい方なのかもしれないし…』


中に入ると部屋の隅にかかっている外套が目に入った。

自由の翼を称えた濃緑の外套。


自分の部屋にもあるものなのに、それを見た瞬間「ここはリヴァイ兵長の部屋か」と思い至った。


私がそうして呆けてる間、リヴァイ兵長は上着を脱ぎ、クラバットを外していた。

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