【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第2章 はじまりの日
帰還した英雄たちは市民たちから容赦なく罵声を浴びせられていた。
今思い返せば、そのときの壁外調査は前代未聞の損害を出した第35回のそれだったのだろう。
生き残った兵士たちは血まみれで、殆どの者が罪悪感や絶望を目に色濃く映していた。
二頭の馬が牽く遺体馬車からは、離れていても分かるくらいの死臭が漂ってきた。
これが、調査兵団…
これが、兵士…
その時の私の顔は誰が見ても青ざめていただろう。
自分が目前に控えた入団試験に合格して、何らかの手違いで調査兵団に配属されて、そしてこんな無残な目に遭ったら…
そんなことを考える余裕も、そのときは無かった。
(世界にはこんなに惨たらしい絶望があるのか)
頭の中はそんな思いで支配されていた。