【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第13章 最後の話
「コンコンコン」
聞き慣れたノックの仕方。
控えめで、こちらの様子を伺うような音。
まるでポーラの性格そのものを表しているかのようだ。
以前のように無言で扉を開けて、ポーラを迎え入れる。
ポーラは「何がなんだかわからない」といった困惑の表情を浮かべていた。
思わずポーラからすぐ目をそらしてしまう。
「座れ」と短く言うと、ポーラは素直にソファへおずおずと座った。
このまま立って話そうかとも思ったが、ポーラと目を合わせるのは耐えられそうにもない。
逡巡したあと、隣に深く腰掛けた。
「エマ・マクラーレンに言われて来ました。
何故、エマが?」
ポーラが口火を切った。
声色からは戸惑いが強く滲み出ている。
「それは…」
先程のエマとのやりとりを思い出す。
『一つ、お願いがあります』
エマのお願いとやらには大層驚かされた。
つまり、ポーラに聞かれたら、こう答えろということだった。
「アイツには、好きだと告白された。が、断った。
安心しろ。俺らの関係については話していない」
ポーラの目が見開かれる。
エマには「お前はそれでいいのか」と尋ねたが、そうやって言えの一点張りだった。
「マクラーレンと話して、お前に伝えたいと思ったことがある。
少し、俺の話を聞いてくれるか」
「はい」