【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第13章 最後の話
「今晩、兵長の部屋へ行って。兵長が呼んでいらっしゃったわ」
「なっ…!?エマ…?」
驚いて声を上げそうになると「シッ!」とエマに制された。
マリアやビアンカに気付かれないように気にしているのだろう。
「エマ、なんで?なんで兵長のこと…」
「ポーラ、いつかゆっくり話すわ。
とにかく、マリアやビアンカが寝た頃に兵長の部屋に行ってね」
有無を言わさぬ圧力を感じ、思わず首を縦にコクコクと振った。
聞きたいことはいろいろとあったが、「じゃあね」と自分のベッドへ行こうとするエマの腕を掴んで咄嗟に尋ねた。
「エマ、泣いてたの?」
いつかの時の早朝の廊下を思い出す。
あのときのエマもこんな気持ちだったのか。
友が自分の知らないところで泣いていたかも、と思うことは身を切るような辛さがある。
うっすらと目と鼻を赤くしたエマは、にっこりと微笑んだ。
「心配しないで、ポーラ。
私は私の大事な人の幸せを願っただけよ」