【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第12章 半年後
つまりポーラは、俺との未来は想定していないと、そう言ったも同然だ。
呼べばすぐ来て、組み敷かれたらヒイヒイ喘いで、紅茶を飲みながら会話したのも、俺の過去を受け止めたのも。簡単なことだ。
欲を持て余した可哀想な男に付き合ってやっていただけの話だ。
最初は俺に恋慕の情を募らせていたのだろう。ただ始まりを思えば、ポーラが俺との未来を考えないのは嫌でも納得できる。
もっと違う始まりを選んでいれば、もっと違う道を辿っていれば。
最初にあんな愚かな形をとった自分を、これまでになく呪った。
自分はぐずぐずと過去を蒸し返すことはしないタイプだと想っていたが…
後悔ばかりが押し寄せて、いつまでも思考の出口が見つからない。
もう、ポーラとの関係は終わった。
そうしたらあいつは、抱き潰された自分の身体を俺から取り戻して、心と一緒に愛してくれる他の誰かへそれを捧げに行くのだろう。
そんなことを想像すると、無性にイライラした。
でもそれは、ポーラにとっては最善なことのように思えた。
そうだ。何もこんな血に塗れたスラム出身の男でなくてもいい、アイツの相手はもう少し光が似合う男がいいのだろう。
強姦なんて絶対にしない、あいつを一番幸せにしてやれる男。
そんなやつと一緒になってしまえば、こんな糞みたいな兵団からも抜け出せる。
俺の夢でよくあるように、巨人にも喰われずに、壁の中でぬくぬくと生活して行けるだろう。
簡単な話だ。
あいつを解放してやればいい。
今更最初の強姦を謝ることなんてできないが、せめて一刻でも早くポーラを自由にしてやることが贖罪になるのではないか。
俺は学がない。
人の情や、思いについても無知だ。
でも人から嫌われることだけは得意だ。
ずっとそうやって生きてきた。