【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第11章 5ヶ月後
部屋に入った瞬間に後悔した。
その部屋はベッドと姿見しかない本当に質素な部屋だった。
昔母親の死を看取った部屋にそっくりだ。
当たり前といえば当たり前か。
娼館の部屋でやることなんか一つしか無いのだから。
女が主人というだけあって、ベッドのシーツなどは清潔に保たれているようだった。
手で触ってホコリがないのを確認し、ベッドの端に腰掛ける。
『女でできた傷は女性で埋めるしかない』
女によくモテるエルドらしいアドバイスだった。
そりゃあそうだ。
ポーラと会えなくなった今、また適当な女を探せばいいだけの話だ。
あれだけ娼館は毛嫌いしていたが、今日は確実に女を抱きたかった。
静かに娼婦を待つ。
しばらくすると廊下からコツコツという足音が聞こえてきた。
足音は8番の扉の前で止まる。
トントン
ノックの音。
「入れ」と短く言うと、女がスルッと部屋に入ってきた。
辿々しい説明だったが、あの女主人はこちらの意向をしっかり汲んだようだ。
ぱっと見はポーラにそっくりな女がやって来た。
「サルメです」
軽く会釈をされる。
ポーラよりも美人だ。
兵士として鍛えているポーラとは違って、体つきも丸みを帯びて女性らしかった。