【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第10章 4ヶ月後
「前にもお話ししたでしょう。貴方をお慕いしているのは何も私だけではありません。
こんなこと言いたくありませんが、私の部屋の中にも兵長に心酔している者がいます」
そう言われて不意にいくつかの場面を思い出した。
コイツに合図を送るとき、よく隣にいる小さい女がコイツと同じような目で俺を見ていたっけ。
今まで全く気にしていなかったが、ポーラの話で合点が行った。
「私は、彼女に嫌われたくないんです。だから隠し通したいのです」
罪悪感からか、ぽつりとこぼすようにポーラが呟いた。
隠し通す。その言葉に違和感を覚えるが、始まりが始まりだっただけに致し方ないのかとじわじわ納得した。
しかし引っ掛かった言葉がモヤモヤした感情を残す。
鬱陶しい。
ポーラはいそいそと服を身につけ、寝癖を気にしてか忙しなく手櫛で髪をといている。
そんな彼女の横顔に「おい」と呼びかけた。
「はい」
「お前、前に『私の心は私のもの』なんてほざいてやがったが、まだそのつもりなのか」
「え…?まあ、はい」
「それはなんでだ」
「えっ?ええっと…」
ポーラが考え込む。
答えを急かすつもりは無かったが、5秒10秒と経つともどかしくなってきた。