【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第2章 はじまりの日
目も合わせられない。
私が震えている?そうでしょうとも。
貴方に憧れて続けて、貴方を追ってこの兵団に入ったのだから。
耳まで真っ赤になっている自信がある。
いつも遠くから眺めるだけだったリヴァイ兵長が、今私の目の前にいる。
「好きです」「憧れています」と一言言えたらどんなにいいだろう。
しかしそんな葛藤をする私を揶揄うかのように、兵長は口の端を上げながらジッと私を見つめる。
胸の間を汗が一筋流れていくのがわかる。
もう、勘弁してほしい…
「お前、所属と名前は」
「え、あ、はっ!調査兵団、第三分団ポーラ・アンダーソンであります!」
「部屋は」
「…?あ、はい!西棟の2階です!」
「新棟の…談話室があるな」
「はっ!談話室の東隣が居住部屋です!」
「そうか」
急いで段ボールを足元に置き、咄嗟に敬礼をしながら質問に答える。
所属と名前を聞かれるのは日常茶飯事だが、部屋を聞かれるのは初めてだった。
戸惑いながらも、兵長のお気に召すようしっかりと答える。
「前見て歩け」
納得した様子のリヴァイ兵長は、そのまま踵を返して地下倉庫の出入り口まで向かっていった。
「…?」
取り残された私は、怒られなかったことに対する安堵と、ぶつかってしまった罪悪感と、一瞬感じた思い人の体温の幸福感で、熱に浮かされたようなフワフワした気持ちを味わっていた。