【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第9章 4ヶ月後より前の話
促されるままに酒に口をつける。
いつも兵舎で口にする酒とは明らかに質が違う。ブドウではない他の果実の味がした。
独特の苦味があって、アルコールがやけに強かった。
飲み込むと、酒が喉を焼くように胃まで落ちていく感覚がした。
「そうですね…調査兵団は貧乏ですから…足りていないものなんてゴマンとあります。
衣類も、毛布も、何より食料だって…」
「そういう衣類、食料の類いは必要最低限しか注文がねえんだよなあ。
もっと現役の兵士ならではの需要が知れれば、こっちとしても売り込みがしやすいってモンなんだが…」
「そうなんですか…」
「調査兵団は幹部連中の嗜好品ですら注文が殆ど無えからなあ…幹部たちが分かりやすく酒好きだったりしねえもんかね?
そうだ、お嬢さん、アンタ幹部連中とお付き合いはあるかい?」
「えっ」
「ん?どうした」
「あ、いえ…私は新兵なので…幹部の方とは…」
「そうかい」
「幹部との付き合い」と聞いて、わかりやすく狼狽えてしまった。
馬鹿な私。
リヴァイ兵長の慰み者なんて、付き合いとは言えないだろう。
すぐさま否定した私を見て、リーブス会長は落胆の色を見せた。
高価な酒を奢ってもらっておいて、何も役に立たないわけにはいかない。
考えを巡らせる。
もう一口、喉奥に酒を流し込んだ。