【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
エルヴィンが持って来たのは、さすが貴族から貰ったというだけあって、とても香りの高いものだった。
淹れた瞬間から暖かく香る。
「それで、俺の部屋から新兵が出てきて、お前に何か不都合でもあったか?」
さっさと会話を切り上げたい。
不本意だが、早速本題から入った。
だが真夜中に訪れた碧眼の客は「そう急かすな」とでも言わんばかりに紅茶から立ち込める香りを楽しんでいる。
エルヴィンの得意技
相手のペースを乱し、自分の思うようにする、そんな魂胆だろう。
エルヴィンの最終的に言わんとすることが見えないだけに、しょうもない焦燥感が募った。
「顔のケガはどうだ」
「こんなもの、ケガでもなんでもねぇ」
「ハハッ、そうか。君には痛い思いをさせて、済まなかった」
「おい、エルヴィン」
「なんだ」
「なんだ、じゃねぇ。
そんなくだらねぇこと言いに来たんじゃねえだろう。さっさと用件を済ませろ」
「なあリヴァイ、君にとって『強さ』とはなんだ?」
「は?」
唐突なエルヴィンの質問に面食らう。
だがふざけているわけではなく、真面目な質問だということは目を見ればわかった。