【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
手を止めてぼうっとしている私の目には、いつの間にか涙が浮かんでいた。
「また泣くのか…てめぇは」
呆れたようにリヴァイ兵長が言う。
兵長の手が少し乱暴に私の涙を拭った。
「なに泣いてやがる。せめて理由をはっきりさせてから泣け」
「だって…兵長、お辛いでしょう…?」
「ハッ。これを辛いと思うのは生者の傲慢だな。死んだ奴らはそんな感情すら抱けねえ」
「でも…」
「でも、なんだ」
「兵長の悲しみは、誰が背負うんですか?」
「…」
兵長の目が見開かれる。
私はお構いなしに涙を流し続けた。
「勝手に期待されて、仲間を喪って見送って、それで周りから批判されたり暴力を振るわれたり…
英雄の貴方がそんなに辛い目に遭っているなんて、想像もしませんでした…」
心からの本音だ。
涙を拭っていた兵長の手が、私の頭の後ろにまわる。
静かに引き寄せられて、軽くキス。
そのまま胸の中に抱きしめられた。
私が泣き止むまで、兵長はそうして抱きしめたままでいてくれた。