【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
白く滑らかなリヴァイ兵長の肌が酷く傷ついているのは、見ていて胸が締め付けられるようだった。
傷痕を消毒する。
少し染みるのか、小さな舌打ちが一回聞こえた。
「なんで、避けなかったんですか?」
消毒が済み、脱脂綿を捨てながら兵長に問う。
「兵長なら簡単に避けられるように思いましたが…」
横目で私を見る兵長の目が、一瞬細くなる。
「遺族に殴りかかられたときの、お決まりのパターンだ。
俺が黙って殴られる。エルヴィンの野郎が謝る。
それが一番、その場が丸く収まる方法だ」
兵長は「何でもない」とでも言いたげにつまらなそうにそう言った。
けれども私は絆創膏を貼る手を止めて、絶句してしまった。
こんなことが今まで何度もあったのか。
そんな私の様子を察してか、リヴァイ兵長はチラッと私を見てからまた話し始めた。
「人類最強なんて大層な二つ名をくれちまうもんだから、俺ならどんなことでもできると勘違いする馬鹿が出てきやがる。
迷惑この上ねえな。
けど殴られて非難される方がまだマシだ。
一番嫌なのは、遺族に『息子を英霊にしてくださってありがとうございます』なんて頭下げられることだ…
それが嫌味でもなんでもなく、心から言われるから厄介でしょうがねえ」