【R18】私の心は私のもの【リヴァイ/進撃の巨人】
第7章 遠征の次の日、そしてまた次の日
さらに次の日の夜、私は兵長の部屋にいた。
とは言っても今日から月のものが始まってしまっている。
それを伝えると兵長は表情を変えず「そうか」と言うだけだった。
自室に帰れとも言われないので黙ってソファに座る。
ティーカップに紅茶を淹れて、兵長も私の隣に腰掛けた。
紅茶からはほのかにリンゴのような香りがした。
「兵長、お怪我は大丈夫ですか」
おずおずと訊ねる。
兵長の左頬には大きな絆創膏が貼りつけてあった。
「ちょうどいい、絆創膏を変えてくれ。
自分じゃあどうも上手くできねえ」
兵長に指差された方を見れば、小さな救急箱があった。
それを取りに行こうとソファから立ち上がったとき「心配かけたな」と、聞き取れるか聞き取れないかくらいの小さな声で兵長が呟いた。
再度ソファに座り、失礼します、と一声かけてから絆創膏を捲る。
皮膚は思った以上に青黒く染まって、傷痕の血が固まっている。僅かに腫れているのも見てわかった。
思わず息を飲む。
「兵長これ…骨にヒビが入ってるんじゃ…」
「あ?そこまでじゃねえよ」
「でも…こんなに酷い…」
「アイツは石で殴ってきやがったからな」
「そんな…ひどい…いくら家族を亡くしたからって、何も悪くない兵長をここまで傷つけるなんて…」