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【ハイキュー】キミが好き【短編集】

第8章 クリスマスイブと【菅原】


クリスマスイブ




今日も仕事。



もちろん明日も。





「…………はぁ」





今日と明日のために1ヶ月前からキラキラと光る

通りのイルミネーションからは縁遠い気持ちでビルを出て。




私から漏れた二酸化炭素は

外の寒さに白く変わって


そしてすぐに、消えてった。




すれ違うカップルを横目に、


寒さに肩をすくめながら一人

仕事帰りで駅に向かう。



クリスマスはカップルのためのイベントだなんて

そんなの誰が決めたんだ。



別に、寂しくも羨ましくもないし。




いつもより足早になるのは、そう。


寒さのせい。





「お疲れ!」





別に私に向けられたわけじゃないんだけど、


なんとなく声のした方に視線を向ける。




ただ、私にではないから歩く速さはそのまま



だったんだけど。





立ち止まって、勢いよく

たった今通り過ぎた場所を振り向いて確認する。





「え?!なんで?!」



「うぇーい!お疲れー!」





私には関係ないと思っていた「お疲れ」は

実は私に向けたものだったらしく、



なぜかそこには右手をひらひらとさせながら私に向かって笑っている

高校の同級生の菅原がいた。





「……え?!ほんとになんで?!」



「だって今日、クリスマスイブだべ?」





菅原は高校の同級生


高3の頃はクラスも一緒



と言っても、高校生の頃に


特別仲がいいというわけではなかった。




だけど、大人になってたまたま再会して

それからはたまの飲み友達に。




ちなみに先週末に飲んだばっかり。





そしてもう一つ、


いや、二つ




情報を付け加えるとするならば。





高校生の頃



菅原のことが好きだった。




そして今もまた、その時と同じ



………いや、ちょっと違うんだけど。





でも "好き" っていうこの二文字は同じ。
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