第3章 リップ(だいたい一年後 / 国見)
と付き合い始めてだいたい一年
就活も終わってたし、もう授業もほとんどなく
はまだ少し忙しそうだったけど、
ゆっくりのんびり
と一緒に最後の学生生活を楽しんで
卒業、
そして先日無事に入行式を終え
いよいよ社会人。
ただ、まだ研修も始まったばかりだし
まぁ、こんなもんか。って、そんな感じの毎日。
ただ、数ヶ月前から今度は(名前)の就活が始まって
説明会に参加したり、エントリーシートを書いたり
そして面接を受けたり。
そんな感じで、は忙しない日々を過ごしてるけど
ただ一年前の俺もそうだったし。
で、最近はこうやって時間を見つけて一緒に過ごしてる。
けど
「ねぇ英くん………」
「ん~~~?」
「就活が終わる気がしないよぅ………うぅっ」
今日も就活終わりの(名前)をバス停で待って
そのままの家に一緒に帰ってきたんだけど、
いつもは帰るなり脱ぎ捨てるように着替えるのに
今日はなぜか、スーツを着たまま
放心?してるな~なんて思ってたんだけど。
項垂れながら、たぶん絶望してる。
まぁ、気持ちはわかる気はする。
俺は早めに決まったからよかったけど、
まわりは時間が経てば経つほど
やっぱり焦ってたもんなーーー。
だけど、なんだかんだみんな決まってったし。
「焦んなくてもいいんじゃない?」
「そう言われても………」
「まわりは決まりはじめてるの?」
「そこまでは………」
「ほら」
大丈夫だよ。
とは少し無責任かな?って
さすがに言えなかったけど
でも、は大丈夫じゃないかな。って俺は思ってる。
「でも英くんはもう決まってたじゃん。
それに何やりたいかもよくわからないし………」